札幌起業経営相談ネットワーク

札幌で起業するなら。起業・経営の強い味方!

個人事業主の税務的メリット・デメリットは?

      2016/11/16

Pocket

税務的メリット

1. 一定の所得までは少ない税負担

個人事業主の事業のもうけには所得税が課されます。そして所得税の金額の計算には、「累進課税」という仕組みが採用されています。これは所得(もうけ)の金額に応じて段階的に税率が上がるという仕組みで、以下の表のように、5%から45%までと幅広く、また7段階と細かく区分されています。ざっくりとしたイメージで言うと、課税総所得金額に税率を掛けた金額から控除額を差し引き、所得税額が計算されます。

課税総所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超 330万円以下 10% 97,500円
330万円超 695万円以下 20% 427,500円
695万円超 900万円以下 23% 636,000円
900万円超 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

※平成27年分以降の税率です。

※平成25年から平成49年までの各年分の確定申告では、さらに復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)が課されます。

※個人の所得に対しては、この他に「住民税」が課されます。表の各税率に10%を加算して計算することで概算としての所得税と住民税の合計額が計算されます。

 

ここで、法人税の方に目を向けてみますと、法人税の実効税率(平易な表現で説明すると、法人の事業のもうけに対しては法人税をはじめ数種類の税金が課されるが、それらを総合して、もうけに対してどれくらいの割合になるかを表した数字)は平成28年度の中小法人につき、もうけの金額に応じて約20%強~30%台前半で推移しています。

この割合だけを見て一概には判断できませんが、一定のもうけまでは法人化した場合よりも個人事業主の方が税金の負担が少なく済む、ということが言えます。

 

2. 消費税の免税期間を最大限に

詳細は別の記事で触れますが、一定規模以上の事業を行う方には「消費税」を納める義務が発生してきます。ただし、消費税の納税義務の判定上、一定規模以上であっても開業から2年間は納税義務が免除される場合が往々にしてあります。そして個人事業主と法人は別の人格なので、例えば起業当初は個人事業から始め、後に法人化した場合、事業規模などにもよりますが、基本的に個人事業で2年、法人で2年、計4年消費税が免税となりえます。

 

3. 書類・手続面の負担の少なさ

法人と比較すると、個人事業主は帳簿や確定申告書などの作成の負担が少ないと言えます。簡易な帳簿の記帳が認められていますし、確定申告書に関しても国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」などを利用すれば、専門的知識が少ない方でも書類の作成自体は可能です。私見ですが法人税確定申告書の作成は、専門的知識無くしては作成そのものが困難です。

開業・廃業時の税務的手続なども、法人と比較するとやはり少なく、専門的知識が無くてもある程度の手続自体は行うことが出来るでしょう。

 

4. 資金の出入りが比較的自由

個人事業主は事業の主体が起業される個人の方と同一の人格です。従って、事業用の預金口座から生活費を引き出すなど、事業資金と生活資金の出入りに関して、そのタイミングや金額の制限などはありません(ただし筆者の意見としては、資金の正しい管理のため生活費は毎月決まった日に決まった金額で引き出すなどの自己管理を勧めます)。

一方法人の場合、決まったルールに基づいて資金を出入りさせないと、課税の対象とみなされ思わぬ税負担が発生することもあります。

 

税務的デメリット

1. 一定の所得を超えると税負担は上がる

前述した累進課税の制度により、一定以上大規模化し所得の金額が大きくなると所得税は高税率で計算されます。

諸々の理由により個人事業主として事業を行わなければならない、といったことが無い限り、一定規模を超えた個人事業主には法人化をお勧めしています。

 

2. 本人や親族への経費が必要経費として認められないことも

まず、個人事業主は起業される方本人が事業の主体ですので、自分自身に給与を払うという概念は税務上ありません。給与に相当する金額を生活費として毎月事業資金から回収する等の形式をとることになりますが、その金額が必要経費となるわけではありません。

また、個人事業主が生計を一にする(同じ財布・家計で生計を立てているということ)配偶者その他の親族に支払う地代家賃や給与賃金は、実際に払っていても、原則必要経費として認められません。ただし一定の要件を満たした場合、給与賃金が必要経費として認められることがあります。

3. 損失の繰越期間が短い

青色申告をしている個人事業主については、純損失の金額(平易な表現で説明すると、所得税額計算上の赤字の金額のこと)が生じてしまった場合、翌年以降3年間順次その金額を所得金額から控除出来るという規定があります。

法人にも同様の規定がありますが、こちらは平成20年4月1日以後終了事業年度に生じたもので9年間(平成30年4月1日以後開始事業年度に生じたものは10年間)の繰越控除期間があり、両者を比較した場合個人事業主の方が短めの年数となってしまいます。

 

Pocket

 お問い合わせはこちら

おすすめの記事

 - 税務